『あらしのよるに』は、1994年初版発行された絵本です。
2005年12月には「マンガではなく絵本が原作」という、異例のアニメ映画として公開。
2000年には小学校4年生の国語の教科書に採用され、大人も子どもも一度は耳にしたことのあるであろう作品です。
筆者がこの作品を初めて知ったのは中学生の時、当時高校生の姉が、宿題で読んでいたことがきっかけです。
『高校生の宿題に選ばれる絵本ってどんな内容なんだろう?』と言う出会いでした。
登場するのはオオカミとヤギ。食べる・食べられる、自然界では相容れない存在です。
その2匹が大雨の日に同じ小屋で雨宿りをすることになり、暗がりで、また風邪をひいて鼻がきかないためにお互いの正体を知らない(勘違いした)まま語り合います。すっかり意気投合した2匹は、天気が回復したあとまた会う約束を楽しみにそれぞれ山小屋を後にします。
「あらしのよるに」は、お互いの姿を知らない2匹が、次に会ったときにお互いを確認するための合言葉なのです。
さて、次に会った時2匹はどうなるのか・・・
一巻のお話はここで終わります。
姉の宿題は、この後2匹はどうなったか?を考えるというものでした
「あらしのよるに」は難しい?対象年齢は?
「あらしのよるに」は幼児には難しいという話も聞きます。
それは圧倒的に、挿絵が少なく、文字量が多いからだと思います(^^;
また、挿絵もあまりカラフルではないため、子どもの目を引くかどうかはお子さんの好みによるかと思います。
書店では小学校低学年7~8歳のオススメとして紹介されていましたよ
参考までにわが子へ読み聞かせていたときの年齢別反応は以下のような感じでした。
2歳 →途中で断念
3歳 →静かに聞いておおまかな内容を理解し始めていた
5歳 →状況を想像してストーリーに入り込むようになった
結構な文字数があるため、読み聞かせは大人もひと頑張り。笑
いつもは3冊ほど読む就寝前ですが、あらしのよるにシリーズになると1冊で勘弁して~といってしまいたくなるくらいです。
絵本は大型版(愛蔵本)と通常版があり、主に違うのはサイズと金額!
これから購入を考えている方へ、この絵本は通常版と愛蔵版があります。
愛蔵版とは【大切に所蔵しておくことを前提にした新装版】をさす言葉で、本のサイズが大きくなって厚さが増したり、紙質が良くなったり、あとがきや解説が付けられるものもあります。
あらしのよるにの愛蔵版は、内容は同じで、表紙の絵と本のサイズ、そして金額が変わります。
通常版
愛蔵版(大型版)
同じところ
・ストーリー
異なるところ
・表紙の絵
・本のサイズ
・金額
通常版がピッタリなのはこんなかた
・一人で楽しみたい
・わが子へ読み聞かせしたい
・お出かけに持ち運びたい
・本棚に収まりよく置きたい(絵本サイズ:15.5 x 1 x 19.7 cm)
大型版がピッタリなのはこんなかた
・たくさんの子に読み聞かせを考えている
・迫力あるダイナミックな絵を感じたい
・置き場所がある(絵本サイズ:18.8 x 1 x 24.2 cm)
「あらしのよるに」現在はシリーズ7作品+特別編もあり!
この絵本は当初は第1作のみで完結する予定でしたが、好評だったためシリーズ化されたとのこと。
続編があると聞くと、「一巻のラストは食べて終わるじゃないんだな!」と先読みして、ホッとしてしまいますね。
絵本の中では食べる・食べられる存在同士が ”ともだち” になるなんて簡単かもしれません。
でもこちらのシリーズでは、その一筋縄ではいかない関係性を徐々に描かれていきます。
仲良くしたい気持ちと食べたい気持ち
仲間に気付かれないように内緒の関係を続けていく楽しみと不安
友人や仲間との関係をどうしていくのか
ガブとメイにただ幸せになってもらいたい、と心で応援するものの、読み進めるうちに周りの心情にも同調できるものがあり、一作品ごとに考えるものがあります。
まとめ:【あらしのよるに】は個人で読むなら通常版、大人数に読み聞かせたりダイナミックな絵を楽しみたいなら大型版を選ぼう
いかがでしたか?
ちなみに、わが子たちが考えた「あらしのよるに」のラストは
2歳 →「わかんない」
3歳 →「仲良しになる」
5歳 →「やっぱりヤギはオオカミに食べられちゃう」
というものでした。
読む年齢によって答えは変わっていくと思いますが、そのときどきで、どうしてそう思ったのか理由を聞き子どもとの時間をさらに有意義な時間にしていけたらいいですね。