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小児特発性ネフローゼ#2 入院~退院

こんにちは!ゆりこです。

皆さま、 ネフローゼ症候群という病気をご存じでしょうか?
わが子は2018年にこの病気を発症し、現在も治療を継続しています。
昨日まで元気いっぱいに外を走り回っていた子が、即日入院、2ヶ月隔離という説明を受け頭が真っ白になったあの日から、3年が経ちました。

今はわが家の一部となったこの病気を、初めて耳にし、どう受け止めたか…。わが家なりの治療や歩みなどを発信し、同じ症状のお子様のいらっしゃるご家族様へお役に立てる部分があれば幸いです。


前の記事はこちら↓
小児特発性ネフローゼ症候群#1 発症。診断当日のキロク

目次

入院スタート

ステロイド治療の副作用について説明を受ける

診断を受け、即日入院となった息子。
生後1ヶ月半の娘のこともあり、私は家に残って夜は主人が付き添うことにしました。

翌日の午前中はいくつか検査を行うことになりました。
ステロイド治療にあたり、副作用の説明があります。わが家が受けた説明は以下の通りです。

【早期から認めるもの】
・緑内障(2,3日で眼圧上昇してくることあり)
・食欲亢進(1週間くらいで出現)
・満月様顔貌(ムーンフェイスと呼ばれ、顔が丸くなる)
・中心性肥満(お腹周りがぽっちゃりする)
・精神面(イライラしやすく、攻撃的になる)
・感染しやすい

【長期内服による副作用】
・骨粗鬆症
・成長障害
・低身長
・大腿骨頭壊死
・白内障

眼圧測定不可により、転院

現時点での眼圧と骨密度を記録したいとのことで、まず眼科を受診することになりました。
しかし、入院している病院は眼圧測定の機械が大人用で、初めての機械に泣き叫ぶわが子は測定困難と言われ、検査をすることが出来ずに部屋に戻りました。

大泣きしたものの、息子は部屋の外に出れて少しリフレッシュしたようでした。ですが毎日こんな機会が訪れるわけではありません。2ヶ月ももつのかな…、検査も気が重いな…そう思っていました。

すると先生が病室にいらして、「子どもの眼圧も測定できる機械があるのが、県内だと2軒。そのうち小児腎臓内科の先生がおられるのが1軒なので、そちらに転院を検討したい」と言われました。

伺った転院先は自宅より車で2時間以上かかり、主人と付き添いを交代するなどの条件が厳しくなります。即答できず、一度保留にして頂きました。そしてわらにも縋る思いで、実家の母へと連絡しました。

私の母は元看護師です。診断を受けた際には、粛々と状況を受け止め、応援が要るなら手を貸すと言ってくれていました。実家は新幹線と電車を乗り継ぎ、8時間の距離にあります。こちらの病院に転院して応援に来てもらうとしても、母も仕事があるので2か月の入院期間をまかなえるわけではありません。
そこで出した案が、『実家近くの病院への転院』でした。
運よく、小児腎臓内科の先生がおられる病院が見つかりました。
息子に一刻も早く治療を始めてあげたい。迷う時間はなく、転院先を決めました。

入院から約24時間後に退院。急いで荷物をまとめ、2時間後の新幹線で移動を始めました。病院とバイバイして上機嫌の息子。電車を眺める彼の喜ぶ顔が嬉しかったです。

ステロイド治療スタート

翌朝入院手続き開始。
説明を受けて驚いたのは、昨日までの病院と違って、食事・水分摂取の制限がなかったこと。
血栓予防の意味合いも込めて、病棟内も感染症対策(マスク着用など)をしていれば自由に動いていいとのことでした。転院してよかったと涙が出ました。
また、蛋白尿が陰性3日続いたら(=寛解)退院予定と言われ、ステロイドへの反応が良ければ1ヶ月かからないだろうと言われました。

その夜からステロイド治療が始まり、初めは点滴でした。点滴の針を入れるのも悶絶、管を挿しっぱなしの息子は見ていてつらかったです。
反応が良ければ様子を見て口から飲む薬に変えるとのことで、口から飲めるのだろうか?と不安になりつつ、薬が効いてくれることを心から願いました。

ステロイド感受性ネフローゼ

わが子はステロイドが効くタイプのネフローゼ(=ステロイド感受性ネフローゼ症候群)でした。
入院時、発症前から体重が2㎏増えていましたが、薬が効いておしっこが出るようになったことで1.5kg減りました。まぶたがむくんで目も細くなっていましたが、むくみが減り、元の顔に戻りました。
ベッドで寝転んでばかりだった息子が自ら散歩に行きたいと話すようになり、やはり体がきつかったんだろうと思いました。

そしてここから、副作用【食欲亢進】が見られるようになり、それまで食べられなかった食材も含めて、病院食をぺろりと食べるようになって驚きました。おやつの制限は特にありませんでしたが、先生によると「食欲の我慢がつらくて、イライラが募って【攻撃的になる】ことは多いので、体を動かしたり、食べ物から意識をそらすことも頑張ってね」と言われました。

いよいよ口から薬を摂取

いよいよ薬を口から飲むという話になり、それまで経験がほとんどなかったので、とても悩みました。粉薬は量が多く感じたので、錠剤でお願いしました。しかしステロイド剤はめちゃくちゃ苦くて、そのままは絶対に無理…。正攻法でうまくいくとは思えません。

看護師さんが「ゼリーなどに混ぜてみたら」と言われました。
売店で買ったフルーツゼリーに落とし込み、スプーンで一緒に口に入れて成功!!!この調子なら、と思っていましたがその次は、失敗。
今思えば、ゼリーと言うのはお薬用のゼリーだったのですね。。
フルーツ味などの食べ物に混ぜるのは、余計に苦みを増すこともあるとその後知りました。

 


                    お子さま用から大人用まで幅広いラインナップ
                    特許取得 ゼリー状のオブラート
                    乳幼児 14歳 成人 高齢者
                    ピーチ味 いちご味 ぶどう味 レモン味
                    お子さまに! 子供が薬を飲むのをいやがる場合、むせたり咳き込んだり誤嚥をまねくおそれもある。
                    健常者(薬の服用が苦手な方) 一度に数種類のカプセルや錠剤を飲むのは困難。口の中で広がる粉薬は苦手。薬やサプリの服用に不便を感じている。
                    高齢者(えん下機能が低下) 加齢により、嚥下に関する筋肉群が衰え、ものを飲み込む力が低下。えん下への注意力、集中力が散漫になる。
                    えん下困難者 えん下の筋力の低下や咽頭の下降、脳血管障害(潜在的仮性球麻痺等)などにより、飲み込む事が困難。
                    専門用途 抗生物質などのニガイくすりに! 漢方薬に!
                    チョコ風味 いちごチョコ風味 コーヒーゼリー風味
出典:株式会社 龍角散

朝・昼・夕の3回がつらかったです。飲まないと退院できません。怒っても仕方ないのに、どうしたらいいんだと泣きました。

2歳児の錠剤、救世主のビスコ

悩んでいると、母が面会にやってきました。母は差し入れにビスコを買ってきてくれていて、話を聞いて袋を開けました。2枚のビスケットをはがし、中のクリームに錠剤を押し付けてまたビスケットでフタをしました。それを息子がぱくりと口にして、お薬成功したのです!!

それまで、そんな甘いお菓子をあげたことがありませんでした。
珍しいおやつだったから、単にそれが功を奏したのかもしれません。でもお薬を頑張ってくれるなら、構わないと思いました。わが家にとって薬が飲めないという窮状を救ってくれたのはビスコだったのです。

余談:薬の飲ませ方

わが家はその後もビスコで大成功でしたが、教えてもらった薬の飲ませ方を幾つかご紹介します。

・ゼリーに混ぜる
・チョコレートの後に飲ませる
・アイスクリームの後に飲ませる

チョコレート・アイスについては、口の中が甘い・ひんやりしているという状態で飲ませることで苦みなどを感じにくくなるそうです。難しいお子さんに試してみてくださいね。

ちなみに「こんな飲ませ方ですが大丈夫でしょうか?」と尋ねたところ、「口に入れてくれればなんでもOK!」と先生に言ってもらえて心底安堵しました(*ノωノ)年齢が上がって正攻法で飲んでくれれば一番良いのかもしれませんが、2歳児には上出来だったと今でも思います!

蛋白尿陰性、寛解の兆し

投薬開始から8日目、ついに蛋白尿が陰性になりました。
それまでの経緯は4+が5日、2+が1日、1+が1日と言った感じでした。
陰性が3日続くと寛解(=病気による症状や検査異常が消失した状態)とされます。退院指導を受け、息子は入院12日で退院となりました。久しぶりの外の空気が嬉しそうでした。

 

病院によって治療方針が異なることもある

ここに記載させていただいたものは、あくまでわが家のケースです。
病院の方針によって、治療にほんの少し差があることもあるかもしれません。
例えばわが家の場合、食事・運動面での制限がなくなったこと、入院期間が2ヶ月固定ではなく寛解次第となったこと、などです。
どの病院も本人にとってベターな方法を選んで下さるのだと思いますが、わが家は転院先での治療を受けられて本当に良かったと思っています。
制限について、お薬の飲ませ方についてなど、悩まれるときにはぜひ担当の先生方へ相談されてみてください。

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治療を頑張ってくれる息子に感謝。ネフローゼはわが家の一部


ネフローゼは、症状の個人差が大きく、
初発で終わる、再発を繰り返す
ステロイドが効く、ステロイドが効かない などで枝分かれします。
もちろん初発で終わることを期待しましたが、長男は頻回再発型、そして難治性と診断されて現在も治療・服薬を継続しています。

毎日服薬をがんばってくれる息子にも、サポートしてくださる先生方にも感謝しつつ、症状が落ち着く日をこいねがう日々です。


病気は、時として家族へ大きな負担をもたらすこともあります。
なんでわが子が、と思いたくなることもあります。
でもわが家は、そのマイナスに思える側面に悲しむのではなく…
息子の体の一部、ひいてはわが家の一部として受け止め、彼が元気いっぱいに大きく育ってくれるよう見守って行けたらと思っています。

お子さんが小さな不調を訴えたとき、背後に大きな疾患が潜んでいることもあります。気づいてあげられるのは、私たちです。ためらわず受診したり、誰かに相談してみてくださいね。

また次回、退院後の治療と通院について書きたいと思います。
最後までお目通しありがとうございました♪

 

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